2022.09.21

A、B、C、E、S…?メルセデス・ベンツの車名の法則をおさらい

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メルセデス・ベンツの車名につくA、B、C、E、Sといったさまざまなアルファベットと数字3ケタ。マニアやオーナーだとひと見で「どのクラスの、どんなボディのクルマか」だいたいわかってしまうのですが、ビギナーだとちんぷんかんぷん。そこで、あらためてメルセデスの車名の法則をおさらい。これさえ読めばクルマ好きやセールスマンとの会話に付いていくことができるかも?

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ABCD、Eキモチ〜♪(by沖田浩之)と歌うと年がバレます、熊山です。

 

さておき、A180だとかE200、はたまたGLBやGLE、CLS、EQCといったメルセデス・ベンツの車名につくさまざまなアルファベットと数字3ケタはみなさんご存知かと思います。マニアやオーナーだとその車名を見ただけで「どのクラスの、どのボディタイプの、どのグレードのクルマか」だいたいわかってしまうのですが、ビギナーにしてみればちんぷんかんぷんですよね。そこで、あらためてメルセデスの車名の法則をおさらい。これさえ読めばクルマ好きやセールスマンとの会話にも付いていくことができるかも知れませんよ。

頭文字のアルファベットは車格をあらわす

▲よくあるアルファベット1文字+3ケタ数字の車名

まず、注目したいのが車格(クラス)をあらわすアルファベット。セダンやステーションワゴン、クーペ、カブリオレ(オープンカー)では、基本的に車名の頭につくA、B、C、E、Sといった文字が車格をあらわします。

 

Aクラスがもっとも小さく価格もお手頃なエントリークラス。予算が少ない若者をはじめ、取りまわしの良いサイズをお求めの方に向いています。

 

Bクラスは、Aと同じサイズ感(同じプラットフォーム)ながらパッケージングを今風にアップデートし、居住性や使い勝手をより高めたカテゴリー。ファミリー層など大人数でクルマを利用する方々や、趣味のスポーツやアウトドアなどを積極的に楽しみたいという方に好評です。

Cクラスは、かつてボトムラインを担っておりコンパクトクラスの範疇でしたが、今やミドルクラス化したプチラグジュアリーのポジション(その高級感からリトルSと呼ばれることも)。また、FR(ボディ前部にエンジンがあり、後輪を駆動させる方式)はCクラス以上でしか採用されていないため、ドライビングを楽しみたい方や昔ながらのベンツの乗り心地を味わいたいという方に根強く支持されています。

 

次のEクラスこそかつてはミドルクラスでしたが、今では本格的な高級車路線。用途によりけりですがオーナー自身が運転するモデルとしてはこのあたりがハイエンドとも言われています。いうなれば経営者や士業といったエグゼクティブが運転するクルマです。

 

Sクラスはメルセデスを代表するフラッグシップで、ショーファードリブン(お抱えの運転手が運転し、オーナーは後部座席に乗る)のサルーン的性格が強かったのですが、より高級ラインのマイバッハが登場したことで、今ではドライバーズカーとの線引きがあいまいになっている面もあります。

 

他にもGクラスやVクラス、Tクラスといったアルファベット車名があるのですが、これらはA〜Sのヒエラルキーとは他にあります。Gクラスはみなさんご存知、軍用車のゲレンデヴァーゲンに端を発するクロスカントリー四輪駆動車。Vクラスもそのまんまヴァンを意味するミニバンタイプ。日本未導入のTクラスはさらに小さく、ファミリーユースはもちろんヨーロッパでは業務用にも使われるスモールバンタイプのことをそれぞれ指します。

 

▲縦長すぎて入稿担当者に怒られそうなライナップ一覧(メルセデス・ベンツ日本HPより)

・アルファベットに続く3ケタの数字の意味

 

アルファベットに続く3ケタの数字(A180、C200、E350、S500等々)は、かつては排気量を示していました。例えば180なら約1800ccのエンジンを搭載、という意味だったのですが、今では小排気量化やハイブリッド化が進んでいるため必ずしもあてはまらず、各クラスの中での細分化されたグレードの目安といった意味あいです。事実、CクラスにはC180、C200、C220と大きく3つのグレードがありますが、C180とC200のエンジンは同じ1494ccで出力特性だけが異なっています。

 

さらにその後ろに何も表示されていなければ、セダンタイプ(A/Bクラスはハッチバック)。他には、ロング(セダンのキャビンを伸ばしたもの。リムジンタイプ)、ステーションワゴン、オールテレイン(ステーションワゴンの最低地上高を高め、サイドモールなどでSUV色を高めた4WDモデル)、クーペ、カブリオレといったボディタイプ(名)があります。このボディタイプは、それぞれ車名の後に続くので一目瞭然です。

・4ドアクーペ、SUV、電気自動車はアルファベット3文字

▲近年増えているアルファベット3文字の車名。実際はこの後にグレードを示す3ケタの数字が続く

しかしながら近年、この「アルファベット1文字+3ケタの数字+ボディタイプ名」というルールから逸脱するモデルがどんどん登場しました。むしろ、そちらが主流になりつつあるほどです。それがCLAやGLB、EQCといった「アルファベット3文字」の車名をもつラインです。

 

これらアルファベット3文字は「アルファベットの頭2文字+末尾1文字」に切り分けると簡単です。

 

まず、末尾のアルファベット1文字が前述した車格、クラスを表現しています。すなわちCLAならAクラス相当、GLBならBクラス、EQCならCといった具合です。

では頭の2文字は何を指すのか? それは近年新しく登場したボディタイプや動力システムをあらわしています。この中でもっとも古いCLはエレガントな流線型ボディをもつ4ドアクーペタイプ。GLが付くと近年流行りのSUVタイプ、EQが付くと電気自動車(EV)でEQS(セダン)以外は基本的にSUV型のEVを指します。

 

この3文字車名にも3ケタ数字が続きまして(GLA180、CLS450等)、これも同じくそのクラスの中でのグレードを指し示します。また、CLAに限ってはスポーツワゴンタイプのシューティングブレークという車名が付く場合があります。

 

他にもマイバッハやAMGなどのバリエーションがあるのですが、これ以上触れると混乱してしまいそうですので、いったんメルセデス車のネーミング法則の基本が以上です。これでセールスマンにも話をあわせられるはず? みなさまのご来店をお待ちしております。

 

(熊山准)

<プロフィール>

熊山准(くまやま・じゅん)

中古車情報誌『カーセンサー』(リクルート)編集部を経て、ライターとして独立。クルマに限らずおもちゃ、家電、ガジェットなどモノ全般が大好物。現在はライフワークの夕焼けハントが嵩じて東京と沖縄で二拠点生活中。いま欲しいメルセデス車はAクラスセダン

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