2024.08.29

「認定中古車は中古車相場に比べてなぜ高いのか」あらためて考えてみる

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世の中で販売されているクルマは、新車と中古車しかありません。なかでも中古車はディーラー系販売店が扱う認定中古車と、一般的な中古車にわけることができます。「認定中古車は価格が高い!」とは良く言われることですが、果たして本当にそうなのでしょうか。今回はこの認定中古車のコストパフォーマンスをしっかりと検証してみました。

 

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最新のMBUXで音声認識性能の向上と、ルート検索の質の向上に驚いたライターの萩原です。

 

クルマには未登録の新車と、運輸支局に登録した中古車の2種類があります。

 

なかでも中古車は正規ディーラー系が取り扱う認定中古車と、一般的な中古車にわけることができます。メルセデス・ベンツも同じく、認定中古車が存在しています。そして中古車販売店の中古車に比べて、正規輸入店が扱う認定中古車、つまりサーティファイドカーは品質は高いけれど、価格もそれなりと思われがちです。ではなぜ認定中古車の価格は高いのか?その理由をハッキリと答えられる方は意外と少ないのではないでしょうか。そこで今回は販売店取材を行いつつ、「認定中古車は中古車相場に比べて本当に高いのか」をあらためて検証してみました。

 

メルセデスの認定中古車は全体の約30%

 

メルセデス・ベンツの中古車は、日本国内でも数多く流通しています。大手中古車検索サイトで、メルセデス・ベンツ(AMG、マイバッハを含む)で検索すると約1万2000台(2024年7月中旬時点)もヒットしました。そのうちメーカー系販売店、すなわち認定中古車に絞り込むと約3600台となり、メルセデス・ベンツブランドの中古車のうち認定中古車は約30%流通していることになります。

 

この約30%の中古車は、日本で流通しているメルセデス・ベンツブランドの中古車の中でも、メルセデス独自の厳しい基準をクリアした高品質な中古車、メルセデス・ベンツ認定中古車(メルセデス・ベンツサーティファイドカー)と呼ばれています。果たして、この認定中古車にはどのような基準が設けられているのか。そして、どのようなサービスが付いているのか。一緒に見てみましょう。

▲ショールームの2階には施設の充実した整備工場を併設

充実した保証を支えるため高品質な整備を実施

 

メルセデス・ベンツ認定中古車は、まずメルセデス・ベンツ日本が輸入した正規輸入車であること。そして修復歴がないことが条件となります。そうした条件をクリアしたクルマを認定中古車にするため、最大100項目に及ぶ点検・整備項目が設定されています。

 

点検・整備項目は車両の状態や登録年数、そして走行距離などの条件によって変わりますが舵取り装置「9項目」、制動装置「13項目」、走行装置・緩衝装置「14項目」、「エンジン関係・電気装置20項目」、灯火装置・方向指示器・ボディ「14項目」、公害発散防止装置「9項目」、オーディオやエアコンといったそのほか「22項目」を、メルセデス・ベンツ・グループAG社のサービス基準に適合した重質の整備を備えたサービス工場において、メルセデス・ベンツに精通したサービススタッフが入念に実施すること。と明記されています。

▲2016年式のメルセデス・AMG G63。このクルマも認定保証が2年付く

つまり、メルセデス・ベンツの基準に適合した工場で、メルセデス・ベンツのプロが行い、この厳しいチェックにより、認定中古車の品質保証が担保されているということです。

 

充実の「認定プログラム」とは

 

このようにプロによる厳しい点検・整備を行ったメルセデス・ベンツ認定中古車は、「認定プログラム」が提供されます。「認定プログラム」では万が一、クルマが故障した場合でも購入後、2年間は走行距離にかかわらずメルセデス・ベンツ正規サービスネットワークで一定の要件にて無料で修理可能と謳われています。

 

購入後のサポートは、購入した正規販売店だけでなく、全国のメルセデス・ベンツ正規サービスネットワークが利用可能。旅先でトラブルが発生した場合でも認定中古車ならば、日本全国にあるメルセデス・ベンツ正規サービスネットワークのサービスを受けることができるのも安心感の高さと言えます。

 

またメルセデス・ベンツ認定中古車の特徴として、いつでもサポートしてくれる24時間ツーリングサポートというサービスが提供されます。自分の電話もしくはメルセデス・ミー・コネクトのmeボタンもしくはiボタンを押すことで、24時間ツーリングサポートに連絡できます。

▲前オーナーの使用感がデリートされているインテリア

「認定プログラム」が付与される認定中古車の条件は、従来①初度登録から5年未満&走行距離6万km以下のクルマは2年保証。②初度登録から5年以上10年未満で走行距離無制限もしくは初度登録から5年未満&走行距離6万km以上は1年保証。といったように年式や走行距離に応じて異なっていました。

 

しかし、それが2024年6月に改訂され、この改訂以降に購入した「初度登録から10年未満の認定中古車」はすべて走行距離無制限の2年となりました。これまで以上に認定中古車となる対象車種が増えるだけでなく、保証期間も手厚くなったというわけです。

▲ピカピカに磨かれたホイールには新品タイヤを装着

万が一の車両トラブルなどが発生した場合でも、このサービスを利用すれば現場での応急処置をはじめ、車両のけん引、ドライバーや同乗者の方の移動手段、修理完了車両の引き取り・搬送などを一定の条件下において無料でサポートしてくれます。

 

このように、メルセデス・ベンツ認定中古車の価格には、プロによる厳しい整備・点検から充実した保証や24時間ツーリングサポートまで、ユーザーのカーライフをフォローしてくれるというサービスが含まれているのです。

 

このサービス内容を考えれば、メルセデス・ベンツ認定中古車の価格は一概に割高とは言いきれないのではないでしょうか。

▲中古車を扱う販売店でも新車販売店のような装い

たとえ100万円を超える高額修理でも保証範囲内なら無料

 

最後にメルセデス・ベンツ西東京 サーティファイドカーセンターの中村幸平さんに認定中古車のメリットについてたずねてみました。

 

中村さんいわく「保証期間中であればたとえエンジンが壊れて交換となった場合でも保証が適用される」とのこと。「もしエンジン交換となれば100万円以上はかかるので、それが無料で修理できるとなれば一般的な販売店で購入するよりも、認定中古車のほうが結果的に高くないと言えるのではないでしょうか」とも。

 

メルセデス・ベンツ認定中古車の保証だけでなく、一般的な保険なども転ばぬ先の杖のようなもの。普段ありがたみを感じることはありませんが、困ったときに強い味方となります。しかも6月からはさらに保証期間が延長になっただけでなく、対象車両も増えたので、よりメルセデス・ベンツ認定中古車の敷居が低くなったのは、ユーザーにとってメリットが増えたと言えるでしょう。ぜひご一考あれ。

 

(萩原文博)

萩原文博(はぎはら・ふみひろ)

 

AJAJ会員。大学在学中から中古車情報誌の編集部にアルバイトで参加。卒業後は編集者として企画立案し、ページ製作を行う。2006年からフリーランスエディター/ライターとして独立。2015年からは、新車カタログ本製作を担当し年間200台以上の新車試乗・撮影を行っている。

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