2024.09.26

輝きとガード力をアップする?ボディコーティングのススメ

パーツ・アクセサリー

パーツ アクセサリー コレクション メンテナンス

クルマをファッションアイテムのひとつととらえて、いつまでも新車のようにキレイにしている方も多いことでしょう。購入時の輝きをいつまでも維持するための手段のひとつがボディコーティングです。今回はコーティングの種類や効果について、メルセデス・ベンツ中野サーティファイドカーセンターでお話をうかがいました。

 

──────────────────

【インテリアやホイールのコーティングも可能】

 

ライターの萩原です。サーティファイドカーセンターの取材で美しい車両を見るたび「本当に中古車なのか」と驚いております。

 

新車と見間違えるほど細部まで磨き上げられたボディ。このような状態をいつまでも維持したいと思う方は少なくないはずです。そこで新車や新車のように磨かれた艶のあるボディを維持するための技術「コーティング」をご紹介いたしましょう。

 

一般的にクルマのボディ塗装は、太陽の紫外線にさらされると徐々に色褪せていきます。そして劣化が進むとクリア被膜の剥離が発生し、再塗装が必要となることもあります。

 

しかしボディにコーティングを施すと、ボディ塗装面の上に硬い被膜が形成され、光沢感が向上します。コーティングは強度も高いことから、光沢の持続期間も長いのが特徴です。また、紫外線によるダメージが軽減されますので、塗装面を保護することができます。したがってコーティングは新車の際におこなうのがもっとも有効だと言えます。

▲ショールーム2階も展示場となっている

新車ではボディのダメージなどを可視化できないので、認定中古車がどのように新車のような輝きを取り戻すのかを実際に検証してみました。

 

取材におうかがいしたのは、京王線代田橋駅からほど近いメルセデス・ベンツ中野 サーティファイドカーセンター。この店舗の1階はショールームと整備工場ですが、実は2階に(車両展示場と)ボディコーティングを行うスペースが設けられているのです。そこで、同店のセールススタッフ元地英寿さんに、車両の内外装を、どのようにピカピカにされているのか聞いてみました。

▲この艶やかなボディをキープするためにコーティング剤は効果的

元地:弊社(宮園輸入車販売株式会社)に入庫したクルマは、認定中古車のルールにのっとった整備や点検が行われます(詳しくは、こちらの記事へ)。そして前オーナーの痕跡をリセットするために内外装をクリーニングしています。

 

したがって、前オーナーの存在を感じさせないようなクルマに仕上げられているのです。さらにご希望されるお客様には、内外装のコーティングもお勧めしています。

【ボディの薄皮がむけるようにキズが消え、輝きを取り戻す】

▲ショールーム2階の専用作業スペースにて、ボディをリフレッシュ

その作業は、果たしてどのようなものなのでしょうか。

 

そこで、これから納車される予定の認定中古車の「ボディ磨き」の作業を拝見しました。

 

まず、丁寧に洗車したあと、ボディに刺さった細かい鉄粉の除去など表面の汚れをキレイにしてから、バフ研磨を行います。ちなみにバフ掛けというのは、ポリッシャーという器具にバフというパーツを装着してクルマを磨くことです。

▲磨く前のメッキパーツ。白サビが発生している

ボディの前に、バフ研磨を行うのが“ウインドウモール”などのメッキパーツです。メルセデス・ベンツは高級感を演出するためにメッキパーツを多用しています。そのメッキパーツやステンレスなどで発生しやすいのが、白サビ。

 

自動車では様々な金属製の素材を使用していますが、最も多く活用されているのが鉄です。その鉄が酸化して強度を落としてしまわないように亜鉛メッキなどが施されます。しかし、さまざまな原因でこの亜鉛メッキ自体にもサビが発生する場合もあります。これが白サビです。

▲丁寧にコンパウンドを付けながらバフ掛けを行う

白サビの発生原因は雨や湿気だけではなく、冬場に使用される融雪剤に含まれる塩化ナトリウムや塩化カルシウム、または塩化マグネシウムも一因です。また、海岸近くのエリアでは、雨や雪にも塩分が含まれているため、白サビが発生しやすくなります。

▲施工前(左)と施行後(右)ではまるで異なる仕上がりに

上質感を演出するシルバーのメッキパーツなのに、近づいて見たら白サビが付着していると、かなり残念な気持ちになってしまいますよね。そこで、まずこうしたメッキパーツのバフ研磨を行うのです。バフ掛けを行う際に、ボディやガラスなどにキズを付けないようにマスキングテープを貼ります。そこから数分。作業によって白サビは除去されました。メルセデス・ベンツの車両はメッキパーツを様々な部分で使用していますので、この白サビの除去だけでも数時間かかります。

▲人の目には違いはわかりにくい

続いてはボディ磨きです。人の目で見ると一見キレイなボディですが、作業場の明るいライトを当てると、擦り傷や円状の洗車キズなどが浮き出てきます。ボディは違いをハッキリとさせるためにマスキングテープを貼り作業前と作業後を区別しました。

▲ボディ右側のみ磨きを掛ける

十数分バフ研磨を行ったボディは、薄皮がむけたように、ボディカラーに深みが出てきました。作業前には擦り傷がハッキリと見えましたが、作業後はキレイになくなっています。さらに専用のライトを当てると、作業前の部分では、キズにより光が拡散してしまいましたが、作業後はライトの光源がしっかりと映るほどボディが輝きを取り戻していました。

▲施行前のボディは擦り傷などがあるのがわかる

▲磨いた後は、擦り傷などがキレイに消えている

クルマのコンディションによって異なりますが、ボディ全体のバフ研磨は、短くて1日、長いと数日に及ぶこともあるそうです。

▲専用のライトを使用してチェックする

新車はもちろん中古車でも新車のようなまっさらなボディの輝きを長くキープしたいということであれば、コーティングがオススメです。宮園輸入車販売では、ボディコーティングだけではなく、インテリアの抗菌コート、ホイールコーティングもユーザーのリクエストに応じて実施しています。

▲施工前のボディはキズによって光が拡散している

▲施行後のボディはキズがなくなり光源がしっかりと見える

【シリカガラス膜で、汚れだけでなく酸性雨や紫外線もガード】

 

宮園輸入車販売のボディコーティングは、ボディ全体を無機質のシリカガラス膜で包み込むコーティング剤を採用しています。このボディコーティングは優れた防汚性を発揮し、汚れの吸着を抑えるだけでなく、紫外線や酸性雨にも強く、自然環境による影響から塗装面をガードします。

 

シリカガラスを形成する無機質ガラスコーティングは、一般的なガラス系コーティングより硬くしなやかなので、汚れが入りこみにくく吸着しにくいという特徴があります。また、塗装面の凹凸もシリカガラスで埋めるため、汚れのこびりつきや吸着までも防止します。さらに塗装成分に化学結合することで、長期間コーティング効果が持続します。

 

なお、メルセデス・ベンツの純正ボディコーティングには2種類あります。ひとつが、水をはじくとともに、汚れのこびりつきを抑えてボディ塗装面を保護し、本来の艶と美しさを発揮する「撥水タイプ」。もうひとつが、水がかかると汚れとの間に水が入りこみ、汚れを浮かび上がらせて汚れを落ちやすくする「親水タイプ」です。

 

撥水タイプは水玉がキレイにできるなど気持ちの良い撥水性を求める方、ガラスコーティングならではのツヤと滑らかな手触り感を求める方におすすめです。一方の親水タイプは汚れの付着をできるかぎり抑えたい方や、ボディに残った水玉による、水滴などの汚れの付着を抑えたい方におすすめです。

 

【クルマのオシャレも足元から?】

 

続いてはインテリアの抗菌コート。宮園輸入車販売の抗菌コートはスプレーガン(噴霧器)を使用して、シートなどに吹き付け、除菌、抗菌、防臭の役割を果たします。効果の耐久性、持続力も高いうえ、化学物質に敏感な赤ちゃんにも安心なコーティング剤を使用しています。

 

そのメリットは、2000種類以上もの菌やウイルスに対応した抗菌・防カビ機能。特殊なスプレーガンを使用し、コーティング剤をマットやシートの奥まで浸透させることができるとか。また、代表的な悪臭の原因となるタバコのニオイ、カビ臭、汗のニオイ、ペット臭などに対しても防臭効果を発揮します。その一方で安全性にも配慮。世界一厳しいといわれている米国環境保護庁の基準をクリアするなど高い安全性も確認されているのだそうです。

 

足元を引き締める効果のあるホイールコーティングは、ボディと同じく無機質のシリカガラス膜で包み込むコーティングを行います。ブレーキダストなどの汚れの吸着を抑えるだけでなく、汚れが付いても水洗いで簡単に洗い落としやすくなるのが特徴です。ついついホイール汚れを放置して真っ黒にしてしまう、という人にぴったりですね。

 

このように宮園輸入車販売では、ボディコーティングだけでなく、インテリアそしてホイールコーティングまで用意されています。「愛着のあるクルマだからこそ、いつまでもキレイに乗りたい」「キレイ好きだけど、日ごろの洗車をサボりがち」という方は、車両購入時に加えて車検や点検時の入庫の際にご検討ください。

(萩原文博)

萩原文博(はぎはら・ふみひろ)
AJAJ会員。大学在学中から中古車情報誌の編集部にアルバイトで参加。卒業後は編集者として企画立案し、ページ制作を行う。2006年からフリーランスエディター/ライターとして独立。2015年からは、新車カタログ本製作を担当し年間200台以上の新車試乗・撮影を行っている。

関連記事
その他の記事