2024.07.11

宮園輸入車販売スタッフに本音を聞く!EVライフでわかったこと。感じたこと

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電気自動車(EVモデル)に興味はあるけれど、一歩を踏み出せないという人も多いはず。EVモデルに乗るとどんな満足感を得られて、逆にどんな不便があるものなのか。これは実際にEVモデルに乗っている人に聞いてみるのが一番! 本ブログのスタッフであるEVオーナーにEVライフの本音を聞いてみました。

 

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7人乗りのメルセデス・ベンツ、EQBに興味がある高橋です。

 

2024年7月現在、メルセデス・ベンツでは電気自動車(EVモデル)の“EQシリーズ”7車種を日本に導入しています。先進的なEVモデルに興味を持っている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。一方でEVモデルは、充電問題に代表されるようにガソリンモデルやディーゼルモデルとは使い勝手が異なる部分もあり、それが不安で選ぶのに躊躇する方もいらっしゃると思います。

 

そこで、宮園輸入車販売の管理部門に在籍し、本ブログのスタッフでもあるEVオーナーの尾﨑さんに実際に乗ってわかったことや感じたことを聞いてみました。

▲ルアーフィッシングやキャンプなど、趣味のアウトドアをEQBで楽しんでいる

――まず、EVモデルを選んだきっかけを教えてもらえますか?

 

尾﨑:EQシリーズが発表されてしばらくは、私も一歩を踏み出せず敬遠していましたが「お客様にお勧めするために、まず自分が電気自動車を体験してみよう」と思い立ってエントリーモデルのEQA250に乗り始めたのがきっかけです。しばらく乗ってみてEVモデルならではの加速感や静粛性がとても気に入りました。その後趣味のルアーフィッシングやキャンプなどのアウトドアにもマッチするSUVモデルのEQB250に乗り換えました。

 

――確かにアウトドア系の趣味だと出かける際はたくさんの荷物を積みますね。EQBの使い勝手はいかがですか?

 

尾﨑:とても満足しています。スクエアなフォルムで室内を広く使えるEQB250は、6〜7フィートのワンピースロッドをロッドベルトに難なく積むことができます。室内高も確保されているので、運転中に頭上のロッドが気になるようなこともありません。3列目のシートを格納すればトランクスペースはかなり広くなるので、インフレータブルボートにエレキやバッテリ、リールケースにタックルボックスといった釣り道具と着替えや身の回り品を詰め込んだダッフルバッグ等の荷物類がしっかり積載できます。

▲3列目シートを格納すると465L(VDA方式)のスペースが出現

――話は戻りますが、EQAでEVライフをスタートさせるにあたり、不安などはありましたか?

 

尾﨑:多くの方がお考えになるのと同じように、充電面での不安がありました。私はマンション暮らしなので、自宅に充電器を設置できません。だから、どのように充電プランを立てていけばいいかというのは当初かなり悩みました。

 

――自宅に充電器を設置できないのは大きなハードルになりそうですが、どうやって悩みを解決しましたか?

 

尾﨑:実際に乗ってわかったのは、いち充電の航続距離が思ったより長く、毎日の通勤で使っても週に一度の充電で済むということでした。エンジン車でもガソリンスタンドに行ったりすることを考えれば、週に一度の充電は苦にならない。私の場合は、会社に設置されている充電器を使うことができますが、それ以外にもショッピングモールや公共施設など、都内には本当にたくさんの充電スポットが設置されています。これはEVモデルに乗ってみてはじめて気づきました。

▲EVの普及とともに充電口数も増加中

――自宅に充電設備がなくても、近所にある充電スポットをいくつか把握しておけば問題なさそうですか?

 

尾﨑:はい。まず問題ないと思います。私が乗り始めた頃は充電スポットが少なくて困ることがありましたが、現在は充電設備と充電口数がかなり増えたのでまず困ることはありません。2030年には充電インフラを全国で30万口設置するという目標だそうなので、その頃には充電スポットで困った、というのは過去の話になるでしょうね。

 

――ほかに困ったことはありませんでしたか?

 

尾﨑:日本の急速充電はCHAdeMO規格で、メルセデス・ベンツのEVモデルもCHAdeMOに対応しています。一口にCHAdeMO規格と言ってもさまざまなメーカーが充電器を開発しているため、クルマと機械との相性が悪かったのかコネクターを接続しても充電できないことがしばしばありました。しかし、現在は機械の種類によって充電できないといったことはなくなりました。充電に関する環境はここ数年で改善が進んで飛躍的に良くなっているんだと思います。

▲房総半島の山間湖でルアーフィッシングを楽しんだ時のスナップ。EVモデルならリフレッシュした後の帰り道も快適!

――EVモデルでもうひとつ心配なのは、旅先での充電です。尾﨑さんはフィッシングやキャンプでロングドライブをする機会も多いと思うのですが、旅先での充電はどうしていますか?

 

尾﨑:普段出かけるのは千葉県や埼玉県など近県が多いです。EQB250は大容量バッテリーを積んでいるので、たくさんの荷物を積んで出かけても出先で充電せずに帰ってくることができます。旅行などで遠出する際は旅先で充電しますが、車載のナビやGoogle Mapでも充電スポットの場所が表示されるので、土地勘のないエリアをドライブしても充電スポットを探して不安になることはありません。

 

観光地のホテルなど宿泊先に充電設備が設置されているところも増えています。到着したら充電しておけば、翌日は問題なく走れます。宿泊先に充電設備がない場合でも、少し早起きして近くの道の駅などで充電します。大変と思われるかもしれませんが、旅先で朝市を覗くような感覚で案外楽しいものですよ。

 

――充電しようと思ったら先客がいて空き待ちを余儀なくされたことは?

 

尾﨑:もちろんそれはあります。でもEVオーナーはみなさん同じ経験がありますから、EVオーナー同士「もう少しで終わりますから」とか「そのクルマは何kmくらい走れるんですか?」など、自然に会話が生まれるんです。初めて会う方でも共通の話題があると気さくに話せて案外楽しかったりします。よく「30分も充電するのって大変じゃない?」と聞かれるのですが、お手洗いに行って飲み物を買って一息つくと、あっという間に30分くらい経ってしまっています。30分間の充電が完了しても充電器からクルマを移動させないのはマナー違反になるので、クルマのそばから離れられなかったりするくらいです(笑)。

▲EQBは全長4685×全幅1835×全高1705mm。都市部でも扱いやすいサイズ

――尾﨑さんはこれまでエンジン車を乗り継いできたそうですが、EVモデルという新しいカテゴリーのクルマを使ってみてどのように感じていますか?

 

尾﨑:EVモデルに乗って感じていることを一言で表すなら、運転のストレスが圧倒的に少ないということです。加速性能がとても良くて街なかはもちろん、高速道路やワインディングでもストレスなく滑るように走っていく。エンジン車のように頑張って押し出す感じがないところが自分に合っているようです。

▲デジタルコックピットディスプレイなど、先進性を感じる装備が気に入っている

▲快適なロングドライブを約束してくれるフロントシート

――静粛性はどうですか?

 

尾﨑:当たり前ですが、エンジンが載っていないのでとても静かです。釣りやキャンプは早朝に出かける事が多いので、以前はエンジン音や排気音がご近所迷惑になっていないか心配でした。でもEVモデルはそれらを気にせずゆっくり支度ができます。また、目的地に早めに到着した時などもEVモデルなら排ガスを気にせずエアコンやオーディオをオンのまま時間調整ができてとても快適です。

 

――EVに対する同乗者の評判はいかがでしょう?

 

尾﨑:好評です。メルセデスの上質な乗り味はエンジン車と同じかそれ以上で、乗っていてすごく楽だと話しています。また、シフトショックがないのでクルマ酔いしませんし、アイドリングストップ後の再始動のような振動も皆無なので車内でも熟睡できるそうです(笑)。それと、走行中にリアシートに座っている同乗者と声を張らずに話していることに最近になって気づきました。車内が静かだから大声を出さなくても普通に会話を楽しめてたんですね。これに気づいた時は驚きました。

▲趣味仲間からもEQBは好評。もうエンジン車に戻ることはできないかも、と話す尾﨑さん

――尾﨑さんがEQBのある暮らしを存分に楽しんでいることがよくわかりました。最後にEVに興味がある人の背中を押すようなメッセージをお願いします。

 

尾﨑:乗り心地の良さ、走りの良さはこれまでお話したとおりですが、ランニングコストがなにより魅力です。メルセデス・ベンツの充電サービスである「Mercedes me Charge(急速・普通充電器併用)」に加入すると、月々5720円の基本料金と1分あたり16.5円で急速充電器を利用できます。30分間充電しても約500円です。私もクルマが大好きなので、ガソリンモデルやディーゼルモデルのエンジンフィールを感じながらクルマを走らせるという楽しみがあるのはよくわかります。でもEVモデルに乗ってみて、もうエンジン車には戻れないかもと思っています。クルマにはそれぞれの良さがありますが、ぜひEVモデルに試乗していただいてモーターならではの良さを味わってみていただきたいです。

 

(高橋満)

高橋満(たかはし・みつる)
求人誌編集部、カーセンサー編集部を経て1999年にエディター/ライターとして独立し、自動車、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。最近はゴルフに興味が出てきていて(まだデビュー前ですが)、Eクラスステーションワゴンのようなラゲッジが広くて快適に移動できるクルマに興味津々。

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