2024.06.27

ゴルファーにとっては切実? コンパクトメルセデス選びの注意点

お役立ち

ゴルファーにとって、クルマに何本のキャディバッグ(ゴルフバッグ)が積めるかというのはとても重要なポイント。しかし雑誌やWebでよく紹介されている「○型のバッグが○本積める」という表現は、実はちょっと曖昧です。そこで今回は、ご自身のバッグのサイズやクラブ構成を把握した上で、購入前にラゲージのサイズを確認する方法をご紹介します。

 

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アイアンセットを買い替えようか、もう2年も悩んでいるゴルファーの渡瀬です。

 

クラブメーカーのフィッティングにも行ってきましたが、踏ん切りがつきません。悩んでいることが楽しくなってきている自分もいて、このあたりはクルマ選びと同じですね。

 

さて、ゴルファーの視点でクルマ選びをするときに重視するポイントといえば、なにをおいてもキャディバッグが入るか?ではないでしょうか。乗車人数と各自のキャディバッグにボストンバッグやゴルフ用具もろもろがしっかり収納できることは、ゴルファーにとって必須条件といえます。

 

ただ「このクルマはキャディバッグが何本入るの?」とセールススタッフに質問しても、ちょっと困ってしまうのが実情です。というのもキャディバッグにもさまざまな大きさがありますし、積み方にもいろいろと方法があるからです。とはいえゴルファーにとってはなかなか複雑で深刻な問題。この記事では、メルセデス・ベンツのコンパクトカーに的を絞って整理してみたいと思います。

 

キャディバッグのサイズ表記は決まっていない

 

まずは、キャディバッグの大きさについて。実はキャディバッグにサイズを表す数値というものは存在しません。よくゴルフギアのカタログなどに記載される8.5型、9型といった数値は、バッグの「口径」を指しています。これで推測できるのは胴回りの大きさくらいで、長さの基準にはなり得ません。

▲赤い矢印部分の長さ(口径)を示したものが「型」によるサイズ表記。数値の単位はインチで、8~9.5型が一般的なサイズ(※1インチ=2.54センチメートル)

一方で、クルマのラゲージの広さについても参考になる数値はありません。キャディバッグは縦に長い特殊な形状であるのに対して、クルマのカタログに記載されている「荷室容量」はVDA方式(※200×100×50mm=1Lの箱がいくつ入るか)で計算されているからです。

 

そこで、ゴルファーの方がクルマを購入するときに確認していただきたいのは「130cm」という長さです。というのも、ドライバーを入れフードをかぶせたキャディバッグの長さが概ね130cmだからです。特に1人でゴルフに行く方なら、ラゲージに130cmの長さ(斜めにしてでも)が1本分確保できればまず心配はないでしょう。

 

ただ実際問題ラゲージに130cmの幅がある車種はそれほど多くはありません。メルセデス・ベンツのコンパクトカーの場合、GLBクラスは3列目シートを収納すれば斜めに収納できますが、AクラスやBクラス、GLAクラスは難しいかもしれません。

 

そんなときには、ドライバーやフェアウェイウッド、長尺パターなどをバッグから抜いてラゲージに入れる方法があります。一般的なキャディバッグはドライバーを抜けば約115cm、フェアウェイウッドも抜けば100cmの長さになるためです。100cmでしたら先述の3車種のラゲージの幅にも収まります。

▲赤い矢印がドライバーを入れた長さ(約130cm)。キャディバッグからウッドを抜けば、アイアンの長さ(約100cm)に収められる

ただ、それでは「スマートでない」と感じるゴルファーの人も多くいらっしゃるでしょう。高価なドライバーなどを保護しない状態でラゲージに入れておくことになりますし、エントランスでキャディバッグを預かってくれるコースもありますので、どのクラブが誰のものかなど説明するのが煩わしくもあります。

▲メルセデス・ベンツ GLBクラスの3列目を収納し、ドライバーなどを抜いてラゲージに真横に積んだ様子。これなら3~4本のキャディバッグが収納できそうだが、バッグから抜いたクラブをどう保護するかという問題が発生する

スマートにキャディバッグを収納するためには、ミドルクラス以上のクルマを選ぶほかはありません。しかし1~2人でコースへ行くことが多い方なら、リアシートを倒せばコンパクトメルセデスでも充分に収納が可能。また、セルフのコースを利用するのでキャディバッグの積み下ろしもセルフでという方もいらっしゃるでしょう。

 

そういった方は、クルマの機能や使い勝手を優先して選んだほうがいいかもしれません。より完璧を求める方は、クルマの購入時にメジャーを持参して試乗車や展示車のサイズを測ってみたり、ご自分のキャディバッグをお持ちになって試してみるといいでしょう。宮園輸入車販売の正規ディーラーのショールームでスタッフにお気軽にお声がけください。では、楽しいカーライフとゴルフライフを!

 

(渡瀬基樹)

渡瀬基樹(わたせ・もとき)

ゴルフ雑誌、自動車雑誌などを経て、現在はフリーの編集者・ライター。『Octane日本版』など自動車関係の編集のほか、鉄道・ライフスタイル系の記事制作・編集に携わるほか、クラシックカーやスーパーカーのツーリング・ツアーイベントのルート設計やツアーディレクターも務める。著作に『迷宮駅を探索する』(星海社新書)。

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