2024.08.08

渡辺敏史氏が巡るメルセデス・ベンツ西東京サーティファイドカーセンター

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日ごろ情報誌を漁って自分だけの希少な1台を見つけることをライフワークとしている、無類の中古車好きでもある自動車評論家の渡辺敏史氏。今回は特別にメルセデス・ベンツ西東京サーティファイドカーセンターでお宝探しを敢行! 同氏が個人的に欲しいと思った珠玉の5台とそのコメントをご紹介します。

 

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まず、はじめに。物件データと在庫は取材当日のものですのでご了承くださいませ。

▲Eクラス ステーションワゴン E220d スポーツ(2023年式/858万円)。エクスクルーシブパッケージで走行距離はわずか2000kmていどのデモカー上がり

渡辺:Eクラスといえばセダンの王道であると共にステーションワゴンの王道でもあり続けています。近年はSUVが販売的には主力でしょうが、積載力は負けず劣らず、それでいて低重心のセダンに準じた上質なドライブフィールがあるということで、走り好きな方々からの根強い支持があるわけです。嵩のあるSUVに比べて見た目の圧が弱めというところも、かえってよしとされる一因かもしれません。

 

特にディーゼルのE220dであれば、高速巡航で20km/Lくらいの燃費は充分望めますから、足を伸ばすにしてもCO2にもお財布にも優しい。疲れも最小限で、目的地に着いて荷物をおろしてからの時間も、より有効に使うことが出来ます。

▲Eクラス カブリオレ E300 スポーツ(2020年式/758万円)。レーダーセーフティパッケージ付き

渡辺:ステーションワゴンと同じく、Eクラスのクーペ&カブリオレもまた、メルセデスの歴史を彩る大切なピースです。上質な移動体というだけでなく、自らのライフスタイルを示す担い手として、Eクラスの幅広い客層の嗜好に応え続けてきました。

 

新型はCLEクラスとなり、Cクラスクーペ&カブリオレの役割も兼ねるかたちになりましたが、ドアキャッチ部のメッキトリムやBピラーレスのグリーンハウスなど、代々のディテールが失われたのは残念です。まぁこのカブリオレの側は新型でも前型でもピラーレス感覚は味わえますが、クーペについては前型の無駄がもたらす優美さがちょっと忘れられないところではあります。

▲メルセデスAMG Gクラス G63 ロング(2016年式/1078万円)。人気のブラックです

渡辺:今さら前型のGクラスを買う意味はあるのか…という話もあるかもしれませんが、現行型への移行がここまで進むと、旧型は趣味性の強い実用車的な対象としてみていられる気がしています。

 

もうオンロードでの乗り味はどう考えても現行が上、なんならオフロードでの快適性も現行に劣りますが、路面とよりアナログに、メカニカルにコンタクトしている感は前型に分があるかもしれません。

 

正直、前型で63のAMGっていうのはかなり希少で酔狂な組み合わせですが、わざわざアナログレコードを慈しむような趣味的領域のクルマだからこそ、そういう選択もありなのかなと思ったりもします。

▲Vクラス V 220d AVANTGARDE ロング(2023年式/858万円)。パノラミックサンルーフ付きで後席も広々快適

渡辺:V220dの真価は街乗りではイマイチ伝わってこないかもしれません。静粛性や乗り心地などは似たような日本車と比べると、やっぱり粗めではあります。でもこれが、高速道路の巡航くらいの速度域になるとピターッと雑味がなくなってフラットになる。剛性感の高さは質実剛健の商用車台ベースゆえでもありますが、何やらひと昔前のドイツ車的な硬質なタッチが、ちょっと嬉しくもあります。

 

以前、V220dで長距離を走ったことがあるのですが、大人6人乗車での燃費は15km/L前後といったところでした。恐らく似たような日本車のハイブリッドでもここまでの数字を出すのは難しかろうと思います。週末にみんなで長距離…というのがメインの使い方というファミリーなんかには、経済性の面でもオススメできるミニバンです。

▲メルセデスAMG Cクラス C63 S(2019年式/868万円)。510psを叩き出すV8エンジン搭載のモンスターコンパクト

渡辺:現在のC63シリーズは2リットル4気筒+電動ターボ+電動リアアクスルという組み合わせで680psを絞り出すテクノロジーの塊のような構成になっているわけです。が、そのひとつ前の世代のC63シリーズといえば、AMGの代名詞である4リットルV8ツインターボを小さな車体に押し込んだ相当バンカラな仕立てとなっています。

 

走りもかなりの硬派でして、しおらしく振る舞うには大人の自制心が求められるほどです。そういう無頼なキャラクターが一見Cクラスのガワに潜んでいる、普通の人にはわからないけどクルマ好きには一瞥できる。ああ、AMGってそういう感じのクルマだったよなぁと、オッさんはつい遠い目になってしまいます。

 

以上、駆け足ながら渡辺敏史氏によるサーティファイドカーセンター巡りでした。みなさんも気になるモデルはありましたか? もしお問い合わせなどありましたら、同店までご連絡ください。

 

(渡辺敏史)

渡辺敏史(わたなべ・としふみ)
自動車評論家。二輪・四輪の雑誌編集者を経てフリーランスの自動車ライターとして独立。以降『カーグラフィック』『NAVI』『モーターマガジン』等、名だたる自動車誌で活躍。ユーモアにあふれながらも簡潔な文章スタイルは、カーマニアのみならず一般的なドライバーからの支持を広く集めている。

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